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No12 2003年2月8日発行

「新年を迎えて緊急事態が発生しましたが・・」 ピア代表 三浦 孝司

2002年度はピアにとっても、私にとっても大きく動いた年でした。その中でも、ヒューマンネットワークピアの主催で行われた「Nanakaja Live」は大成功を収め、参加した全ての皆様に、命の重さ、尊さ、人と人との出会いの素晴らしさを充分に伝える事ができたのではないかと思っています。

私、個人といたしましても、親元を離れ、念願の一人暮らしを昨年暮れからスタートし、心機一転、新しい生活作りを始めました。暮らしにおいては、自分の生活設計の下、ホームヘルパーさんに入ってもらう時間と、一人の時間を明確に分ける事で、誰に気を使う事なく、自由気ままに生活をしています。私は、一人暮らしを始めるまでには、色々不安もあり、なにかと理由をつけては、ためらっていましたが、親亡き後どうするのかと真剣に考えた時、おのずと答えは出てきました。

先日、「障害者支援費制度」施行直前となり、厚生労働省から、思いがけない法案が発表されました。これまでは、「支援費の決定は上限なしで行える。」と発表していましたが、1月14日になって支援費制度の利用時間1日4時間を上限とし、それ以上の時間延長は、市町村等の各自治体の責任で行いなさいという事を、国がほぼ固めているのが分りました。これにより、全国の市町村で、現在、4時間以上利用している重度障害者が、予算の不足により1日4時間に減らされたり、まだヘルパー派遣を使っていない人はその時間にも、満たない可能性がたかくなりました。事実上の予算の削減から、自治体によっては、事業を実施しなかったり、中止するところも出てくる可能性すらあります。このままでは、障害者の地域でのくらしがより困難なものとなってしまい兼ねません。

これに伴い、当会ではもし、「上限4時間」が決定してしまった場合の市の対応についての確認とこの問題に対して、下関市も国へ抗議してもらうよう働きかけを行いました。全国の障害者団体も、各自治体や、厚生労働省に対して、激しく抗議行動を展開したことにより、1月28日支援費施行後も現行サービスの水準が下げず、上限についても明示しない旨が公表されました。しかし、今後2月〜3月にかけて行われる「支援費の支給決定」の中で、確実に現行のサービス水準が維持されるよう、市町村の担当者との間で認識を再確認する必要があります。

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「「心織」展示会を終えて」 ピア理事 亀田 雅広

常日頃から、私達は事務所で「手織り」を行っています。一人一人の色合いと個性を生かした反物を セーター、巾着、ワンピース、ベスト、マフラー、バッグ、スカート等に縫製し、年に1回、展示会を開いております。

昨年も11月23日土曜日に引越しをしたヒューマンネットワーク ピアの新事務所を会場にして、11月30日土曜日に一昨年に続き 第2回の「心織」展示会を行いました。今回も多数の皆さんが、寒い中を大勢お越しくださいました。遠くから来て下さった方もおられました。とても嬉しく思っています。会場に入り切れない程のお客様で満員でした。スタッフ一同本当に感謝しております。作り手にとっても励みになりました。

ここは家の中とは大違いでいろんな方と知り合いになれていろんなお話が聞けてお友達が増えて今までの生活とは違う生活がおくれると・・・ それからはすぐに正会員になり移送のサービスも受けれる様にしてもらい、父に気兼ねなくどこにでも行ける様になりストレスも感じなくなりました。1人で悩んでたりどうせ出来ないんだからとあきらめかけてたあの頃がウソの様で今は楽しい生活を送っています。 さをリ織りも教えてもらい、製縫の仕方も習ったりと少しずつですが近づく回数が増えてきました。今度は家で出来る何かを皆さんと協力して探し出したいと思う今日この頃です。

これを機会に、これからも「手織り」で自分たち一人一人の色や個性を出しながら楽しく織り 色々な製品にして又、「心織」展示会を3回、4回と続けて行きたいと思っています。

皆さん、この度はご来場どうも有難うございます。厚くお礼申し上げます。

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「車椅子対応型福祉車輌と電動アシスト自転車の助成を受けました」 ピア理事 川田 和也

この度、日本財団の福祉車輌整備事業より福祉車輌1台と、さわやか福祉財団の特定非営利活動法人補助支援事業より、電動アシスト自転車3台の助成を受けることができました。これらは、現在、ピアで実施している移送サービス事業とヘルパー派遣事業において、有効に活用されています。

まず移送サービスに関してですが、これまで使用していた車輌では車椅子ごと乗り込む事ができず、そのため座席への移乗が困難な方にとって利用しづらい状況でした。また、車輌台数が不足していることもあり、同日に複数の利用依頼があった時などお断りさせていただくケース等も多々ありました。今回の福祉車輌の導入により、この問題もクリアされました。

ヘルパー派遣に関しましても、下関の旧市内等は狭い路地と急な坂道が多く、ヘルパーさんに非常に負担となっていました。しかし、電動アシスト自転車の導入によってスムーズに移動できるようになり、ヘルパーさんも介助に専念できる状況になりました。

このように助成を受けられたのも、少しづつですがピアの活動が社会に認知されてきている結果だと思います。これを励みに、今年もみんなで頑張っていきましょう!

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「連続シリーズ・第五回「ヒューマンネットワーク ピアの目指すもの」」 末田 俊也

1980年代「国連障害者の10年」を契機に、アメリカにおける障害者の自立生活運動が紹介され、わが国でも「当事者組織」が活発な自立生活運動を展開し始めました。私も関心を持ち、関係する本を読んだり、アメリカに留学し自立生活センターを研究してきた友人の話しなどを聞いたりしてみましたが、それは都会で先端的な運動をしている障害者の人達の活動としか思えず、私自身は将来に対する不安をかかえたまま、何を行動する機会も気力も持ち得ていませんでした。

しかし、人には誰にでも、収入には結びつかないかもしれないけれど、仕事をしたい。世の中で何かを作りたい。人に何かを提供したい。人との共同作業の中で、自分を鍛えてみたい、自分を成長させたい。何か人の役に立ちたい。という気持ちがあるのかもしれません。私もやはり生きている以上、地域から失われた存在であるのは悔しいことです、社会の中で機能する存在でありたい…そう思っています。

私も昨年から、今活動しているヒューマンネットワーク ピアに参加するようになり、外出の機会も徐々に増え、少しずつ自分が変化していくのを感じる事が出来ます。自分の生活の事だけでなく社会にも関心を持つようになりました。社会の持つ障害や、ハンディキャップの問題を、障害を持つ一人の市民の立場から、地域へアプローチできるのではないかと考えています。 障害を持ちながらも社会で生きて行く為の様々な問題を考え、それを社会へ投げかける事によって、社会に関わって行きたい…そう思っています。

また今の活動を通して、いろいろな場所へ出かける機会も多くなり、おのずと人と出会い、接する事も多くなりました。そういう経験が社会性を獲得する場になっているものと思います。そして会の活動の展開とともに私自身の可能性も展開して行くのではないかと…感じ始めています。

私達のヒューマンネットワーク ピアという会は、1998年に障害を持ち一人暮らしをする女性を介助するスタッフの集まりから出発した会です。今では障害者が11名・健常者12名が籍を置いています。そして、今までの活動としては、すでに自立生活をされてる方を招いての講演会や自立生活プログラムのデモンストレーション、京都・北九州にある自立生活センターの見学。また、地域への貢献活動として市内のボウリング場への投球補助具の寄贈などを実施してまいりました。

重度の障害者が地域の中で暮らして行く事には多くの困難があります。介助・住居・バリアフルな街、他にも様々な問題があります。私達のこの会は、障害を持つ当事者主導の会ですが当事者だけの会ではありません。もちろん、当事者の問題は当事者でなければわかりません。しかし、当事者だけでは活動は広がりません。障害のある者も・ない者も共に生きる仲間として考え、行動して、障害者が地域の中で生活していくことが当たり前の社会、そして、総ての生活者にとってのバリアの無い社会を目指して活動して行こうという会です。

障害者の自立に関して、よくこんな議論を聞きます。「自分の身の回りの事も出来ない、自分の生活を支える所得も無いのに、自立なんて出来るわけがない」。当然の疑問だと思います。でも「自分で自分の事が出来なければ自立が出来ない」のでは無く、自分の出来ないところは人の手を借りる。しかし、たとえ人の手を借りても、自分の生き方や毎日の生活のことは自分自身が選択し、決定し、それに対して責任を持つ。自分の生活は自分で決め、自分で作り上げていく。それが私達の考える自立です。

まだまだ、こういう歩き出したばかりの私達ですが、今日のように他団体の皆様との交流も、これから大切にして行きたいと思っています。閉鎖的にならずに、他のサークルと交流し情報を交換する事により、その情報の共有化を図る事も、これからの重要な事だと考えています。

今後、重度の障害を持っていても地域の中で安心して暮らしていけるようにする為には、「地域福祉ネットワーク」が重要になるのではないでしょうか?障害当事者と関係組織、そして地域などが連携をとり、それぞれの役割を果たしながら支援して行くことによって、私達のような重度障害者の地域での生活が可能になっていくのではないかと考えています。

どうぞ、これからの私達の活動に、皆様のご理解とご支援を頂けますようよろしくお願いいたします。

(終わり)なかま通信8号より連載シリーズ「ヒューマンネットワーク ピアの目指すもの」と題して、掲載を続けてきました当会会員の末田俊也さんの手記、いかがでしたでしょうか?これを機に、障害者問題について少しでも考えていただけたなら、またピアの活動をご理解いただけたなら 幸いです。尚、本シリーズは、2000年6月にのぞみの会の定例会で、末田俊也さんがスピーチをされた際に使用した原稿を再掲載したものです。

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「ピアと私Vol12 超高齢社会に向けて」 鍬野 保雄

4年位前、ガイドヘルパーをし始めてからピアの会員となり、いろんな仲間と知り合いました。誰でも病気や怪我で障害を持つ身になることや、障害を持って生きる人が生きやすい世の中こそがすべての人に生きやすい世の中であることを知らされました。現実にはなかなかきびしいのですが障害を持ちながら努力して生きる姿に弱い自分は励まされます。

ピアもNPO法人となり障害者のために役立つ事業を展開するようになりました。これからますます高齢社会となり障害を持つ人も増えます。障害者の目から見て必要なこと、改善すべきことをどんどんと掲げ実践すればピアの存在は大いに必要とされると信じます。。

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