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No09 2002年5月24日発行

「連続シリーズ・第ニ回「ヒューマンネットワーク ピアの目指すもの」」末田 俊也

ここからは、脊髄損傷による障害について少しお話しをさせて頂きたいと思います・・・。

はっきりした数字が有るわけではありませんが、現在 下関には、約30名の脊髄損傷者がいるものと思われます。脊髄の神経が切れる為、当然起こる障害を一次障害と呼びます。特に外からみて、手足が動かなくなるという運動麻痺、これに加えて触ってもわからない、痛みも感じないという知覚障害が起こります。さらに内臓の働きも悪くなり、特に重要なことは、膀胱マヒのため排尿障害を起こしてしまう事です。さらに発汗や体温調節が出来なくなるということも困る問題です。

これらの障害は、やむを得ないものですが、問題なのは何もしないで寝ていることによって、また次の障害が発生する事です。たとえば、関節が硬くなって動きが悪くなる事・筋力の低下、床ずれなどが起こるので、二重・三重と障害が増加し・重くなる事です。

WHOの「障害の3つのレベル」という定義に従いますと、頚髄損傷による四肢マヒというインペアメント・機能的障害。その第一次障害による移動能力や書字能力などの日常生活動作の不足というディスアビリティー・能力的障害。そして 三次的な障害である、せっかく車イスと自動車を駆使して移動能力を再獲得しても、職場がないなどの社会が障害者を受け入れようとしない、社会的不利・ハンディキャップ と成ります。

日本では「障害者」のことを「ハンディキャップを持った人」と表現します。私も、ついつい使ってしまう事があります。しかしアメリカでは、「ハンディキャップ」とは、人間に不利をもたらす社会の無責任の結果であり、障害者自身が悪いのではないから、障害者に対しては使ってはいけない言葉であるということを留学した友人から聞いたことがあります。すなわち、日本はまだまだ、この「ハンディキャップ」という言葉の持つ意味を理解しておらず、社会が障害者を受け入れる為には、どのように問題を解決したらよいのかという所までは至ってないのかも知れません。

で、私の話しに戻りますと・・・。リハビリも治療も一定の段階を迎え、退院する事になりました。1年半の労災病院での入院生活を終え、自宅に戻っての在宅生活を始めましたが、私にとっても・また家族にとっても、介助の事・健康管理の事・私の将来の事など・・・、大きな不安を抱えたままの在宅生活のスタートでした。そして何より、自分の生活に生き甲斐を見つけることが出来ないままに、月日が過ぎ去ってしまっていました。進学することはおろか、何かの仕事に就く事さえできないと諦め、かと言って自分の人生を託す目的も持ち得なかった時期が続きました。ただバクゼンと日々を過ごし、車イスに乗ることなど週に1回あるか、ないかで、朝から夜までボンヤリとテレビを観たり、テレビに飽きたら本を読んだり・音楽を聴いたりして、ただ何をするという事もなく日々を過ごしていました。

そして毎週のように遊びに来てくれていた友人達は高校・大学と進学し、就職して下関を離れて行きます。そして結婚し・子供が出来、また仕事の面でも段々と責任あるポジションに就いて行きます。そういう姿を見ていると、毎日をただ漫然と過ごす自分への自己嫌悪、社会に対して何も生産していない自分、社会の中で機能していない自分が、彼らより劣った人間に思え、コンプレックスになって行きました。

次回へ続く

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「ガイドヘルパー制度を考える」

下関市でも普及して参りましたガイドヘルパー制度ですが、市より制度の見直しが図られました。今まで明確な利用時間の上限設定がされていなかったのですが、7月1日から1ヶ月につき50時間となりました。ガイドヘルパー事業費の増大により、今回の規制が施行されたのではないかと思われます。

ガイドヘルパー制度の費用は税金によって捻出されています。その点を踏まえ、もう一度、これまでの利用の仕方を振り返る事が必要なのだと思います。利用者・ヘルパー共に自覚を持ち、制度を自分達の手で守っていくべきなのではないでしょうか。

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「ピアと私Vol09」 ピア副代表 新道 学

私がピアに触れ、深く関わるようになり早1年半となります。

思えば入会当初はピアにとって激動の時期であり、自主映画上映「えんとこ」、事務所の開設に始まり、NPO法人格の取得、ヘルパー事業の開始…と現在のピアが形成される「卵」の状態でした(無論、今現在にしても未だ進行中の若い、青い組織ですが)。

そんな転換期に首を挟んだ事に縁を感じた、ピアの掲げるその思想に共感した、ということもありますが、何より半ば腐っていた自分が「何かできるのではないか?」と思い、今ここにいます。周囲に甘え、至らなさから少なからず迷惑をかけ通しですが、その思いを実現させたい、実現させるために行動しています。

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