行きたいところに行って
食べたいものをたべて
おもいおもいの時間を楽しむ
利用者さんたちは秋頃になると忘年会の計画を始めます。行き先を決めたらチラシを作ってメンバー募集。
企画書もパソコンを使って作り、室長に提出します
お店への問い合わせや予約の電話も、自分たちでやっています。
だからこそ、思い出いっぱいのイベントなのです
松村知紗都
前回に引き続き、自閉症・発達障害者の方の支援をされている、「NPO法人シンフォニーネット」代表者の岸田あすかさんへのインタビュー内容を掲載させていただきます。
松村 | 今回は、支援の必要な子供さんの職場体験活動「下関お仕事クラブ」についてお聞かせ頂けますか? |
岸田 | 小学校5年生から中学校3年生までの障害のある子供達が、地元のスーパーや会社に週1回、1時間限定で市民ボランティアさんと一緒に半年間働きに行くという取り組みです。週に1回、1時間、半年で子供だったらという条件だと、企業さんがだいたい受け入れて下さいます。 |
松村 | 子供だったら…? |
岸田 | 子供だったら、その後に企業さんが雇わなければいけないという不安が無いじゃないですか。それと、障害のある子供さんに職業体験させることは、企業のイメージとしてもいいですよね。 障害のある子供さんって、素直で明るい子供達が多いんですよね。 いまどき素直な中学生ってそんなにいないでしょう?(笑)だから受け入れて下さった企業さんが感動されるんです。 |
松村 | 具体的にはどんなお仕事をされているんですか? |
岸田 | スーパーでの商品の前出し、製品の袋詰め、事務職であれば封筒のハンコ押し、シール貼りです。大人の職場で働くということは子供さん達にとって、とても鼻高々なことのようで、楽しくてしょうがないみたいなんですよ。周りの大人達も嬉しくなりますよね。 |
松村 | 子供さんの働く姿から得るものがたくさんあるんですね。 |
岸田 | 障害者は社会のお荷物ではないんですよね。障害のある方達が何かを気付かせてくれるきっかけになって、社会の足りない部分を補っているんですよ。障害のある子供達が皆を笑顔にしてくれるんです。 我が子を外に出すことを不安がられていた親御さん達も、会社の社員さんやサポーターさんに「すごく頑張っていましたよ。」と言われることで、自信が付くんですね。 |
松村 | 私の親が、「あなたは障害者だけど、どんどん外に出て行きなさいよ」というタイプだったので、今こうやって社会人として働けているのは親のおかげが大きいなと感謝しています。岸田さんのお子さんもきっとお母さんに感謝されているのでは? |
岸田 | 本当?うちは上の子が22歳で下が19歳だけど、反抗してばかりよ(笑)。 |
松村 | 私も22歳の頃は持病の統合失調症の症状が悪化して仕事を辞めたりとか、そんな時期でした。まだ微妙な年齢で表さないのかもしれないけれど、子供側としては、お父さん、お母さん、ありがとう!という気持ちがいっぱい、いっぱいあります。 |
岸田 | 松村さん今何歳?28歳?私も頑張ろっと! |
松村 | 最後に、ジョブコーチセミナーについて、教えていただけますか? |
岸田 | 東京に本部があるNPO法人JCネットの方達がジョブコーチを育てるセミナーです。 働きたいのだけれど障害があって不安という方に、慣れるまで一緒に付き添ったり、障害者と企業の橋渡しをしたり、企業、障害者双方の支援をする人達を増やすセミナーです。山口県でのセミナー、第1回を下関で私達、シンフォニーネットが事務局として行いました。ジョブコーチの利用率というのがあるのですが、山口県は東京、神奈川に続いて全国で3番目なんですよ。 |
松村 | シンフォニーさんの活動の成果が現れていますね。 |
岸田 | いちばん怖いのが「無関心」です。楽しくないと関心を持ってもらえないので、楽しく障害者の就労について知ってもらえる町作りをこれからも目指します。 |
お子さんの気がかりな事をそのままにせずにお話してみませんか?
どなたでも参加できる茶話会です。お気軽にご参加下さい。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、昨年はすべての事業(ディサービス・ヘルパー派遣事業・ケアホーム・ピーカフェ)が新地へ移転しました。
ご協力いただいた皆様のおかげと本当に感謝しつつ新しい気持ちでスタートいたしました。ありがとうございます。
パンフレットや、ホームページも新しくなりました。
しかし昨年末のこと、そのパンフレット紙面で優しい無垢な笑顔でピアの雰囲気を伝えてくれていたK子さんがお浄土に還られました。
皆の姿をみつけると、「ここよ〜!ここ ここ」と、いつもニコニコしながら存在をアピールしてくれていたK子さんの声が今もはっきりと聞こえ、姿が目に見えるようです。
私事ですが、新地の土地を購入する際に、強力に支援してくれた郷の母も新しくなった施設を見ることなくバタバタと往きました。
「出会いと別れ」 お寺に起居する私ですので、人よりはそういう機会も多いはずですが、この度はとても身につまされ、深く考えさせられるご縁となりました。
命宿るとき、誰にも等しく、そして間違いなく決まっていること。
それは、必ず死ぬということです。
でも生きることに精一杯な私たちは、つい「死」ということを考えたくないこと、忌み嫌うことと捉えがちです。
しかし必ずそれが定まっている以上、そのことを見据えた生き方を選び取らねば、この生は虚しいものになるのではないでしょうか?
特に病や障がいといっしょに生きている人たちと共に歩んでいる私たちこそ、忘れないように智慧に聴いてゆく生き方を選びたいとしみじみ思うお正月でした。
先に往かれた方々が命をかけて教えてくれたことをしっかりかみしめたいと思います。
「ここよ! ここ ここ」もう随分多くの方が待ってくださっていますね。
合掌