ピア通信02  

NPO法人ヒューマンネットワークピア

ピア通信令和第2号 2019年12月20日発行

季節を感じに外へ。

ここ数日でめっきり寒くなりました。季節はあっという間に夏から冬に移り変わりましたね。夏の終わりから秋にかけての気持ち良い行楽シーズン、ピアのみんなの家の皆さんも季節を感じに外出を楽しみました。

9月は海響館へ

何度も訪れたことがあっても、遊びに行く度ワクワクする水族館。お昼はイルカプール上のテラス席でお弁当です。爽やか…というよりやや強めの海風を感じながら「いつもと違って外で食べるのもいいね!」と皆さんの良い笑顔。お弁当がらを誰一人として海風に飛ばされることなく食事を終えました。器用です。

館内の暗闇が苦手で屋外プール周辺から動かない人。パネルの説明書きを気が済むまでじっくり読みたい人。魚より美人受付のお姉さんと記念写真を撮りたい人。楽しみ方も人それぞれ。ペースやこだわりは1人ずつ違う皆さんですが、全員が水族館を満喫されたようです。

10月はコスモス祭り

コスモスの時期にはちょっと遠くに足を延ばして川棚エリアへ。川棚グランドホテルの瓦そばランチつきの豪華なピクニックです。この日は空に雲一つない、暑いくらいのお出かけ日和。海辺をドライブし、川棚に着いて美味しい瓦そばをいただきました。

しっかり食べた後はリフレッシュパーク豊浦のコスモス祭りへ。満開の花畑を散策し終えた頃、ちょうど良い木陰に皆が自然と集まっていました。気持ちいい風が吹き抜けて、空を見上げながら芝生でのんびり休憩。のどかな秋の行楽となりました。これからの寒い季節も、元気に皆さんと活動の計画を立てたいと思います。。

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スタッフ発信ピア的マインド NPO法人として活動するピアスタッフ一人一人がどんな思い出活動しているかをお届けします。

新しい時代に求められる、認め合う心

どんな人にも願いや望み、あるいは感情があり、個々の思考のもと行動を起こして想いを伝えようとしています。

ある方にはこんな思いがあります。

「恋人がほしい」「結婚したい」

それは多くの人が抱いている思いですが、この方は脳性麻痺の身体障害を持った男性です。

そう聞くと、みなさんはこの想いについてどう思われるでしょうか?「無理だろう」と思われる方は、少なくないのではないでしょうか。正しい正しくないのはなしではありません。価値観や基準が違えばその是非に賛否あって当然だと思います。

人には、特に日本人に多くみられるそうですが、何かを伝えるとき相手から共感を得られるという無自覚の期待が前提にあるそうです。「私の気持ちを分かってくれるよね?」と共感してもらえることを求めているため、それが叶わないと否定されたと受け取ってしまいます。そこで生まれた怒りの感情が、やがて相手を責める、仲たがいする、など発展していく。感情と思考はいつも一緒に出てくるようです。

当法人の理念の中に「多様性を認め合う」という言葉がありますが、これは目的ではなく手段であると個人的に考えています。ひとつのユニバースの中のダイバースだと考えたときに、どこにユニバースを置き、何を同質として異質とするのか。達成したい目標に向かうための同じ価値観を共有し、多様な手段で取り組む。その先に新たなイノベーションが生まれる。こうした状況や精神のあり方に対して「多様性」という言葉が当てはまるものだと、個人的な解釈ですが私はそう考えます。

「恋人がほしい」「結婚したい」とおっしゃるこの型の思いを私は尊重したいと思います。願えば叶うではありませんが、思考を現実化していくことは目標に向かった行動を引き起こすため、いずれ本人もきづかぬうちに理想に近づくものだと信じています。

私が人の話を聞くうえで大切にしていることは、自分の基準で物事を捉えず自分の外に基準を置き、主観ではなくロジカルに捉えることです。さらにビジョンを作ることが理想的ですが…まだまだ未熟であります。

命あるものの言動にはすべてに理由があり、自己の意思による選択と決定ができます。ピアの一員として、本人が本当に伝えたいことは何か?表面だけを見て判断するのではなく、物事の本質はどこにあるのかを探る。そんな視点をいつも持っていたいと思う今日この頃です。

(児童指導員 本間豪)

ピアの日常を綴ったブログもご覧下さい「みんなの家のお気楽な日々」

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冬季イベント

11月 職員AED講習会

11月に職員でAED(自動体外式除細動器)についての勉強会を行いました。施設職員としてのスキル向上のため定期的に様々な研修を実施しております。

11月 キャンドルナイトランタン制作協力

11月16日と17日に、市内各地で「関門海峡キャンドルナイト2019」が開催されました。今年は下関市民活動センターでもおよそ1000個の牛乳パックランタンが並べられているということで、みんなの家でも60個の個性的なランタンを完成させました。ゆらぎキャンドルライトの温かな灯りで照らされたランタンは美しく、寒い中会場に足を運んだ人々を大変楽しませていました。

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今後のイベント

1月 さをり織り体験会

一般の方向けにさをり織のワークショップを予定しています。この機に手織りにぜひ触れてみてください。

2月 みんなでチョコづくり

デイのみなさんとバレンタインのチョコづくりを企画しています。3月はホワイトデーのお菓子作りも。

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ライブタイトル「メモリーズ〜思い出は重いで〜」

今回のインタビューは音楽と歌をこよなく愛する楠田さんが売宇人の堀池さん、河原さんと音楽ライブを企画中ということで、お話を伺いました!

ただいま企画中interview

こちらのコーナーではピアの皆さんの日常の様子や、デイの中で注目の企画をインタビューでご紹介していきます!次回もお楽しみに。

Q まずライブのタイトルについて、どんな想いが込められていますか?

楠田 思い出をつくりたいなという想いで。この3人での共通の思い出をもっともっと作りたい、もっともっと深く仲良くなれますように、という想いでつけました。他には「ビリーブ」「ドリーム」など、候補があったのでとても悩みましたが、このタイトルになりました。

Q 3人はどんな繋がりでライブをすることに?

楠田 茉佑ちゃんとは子供のころから同級生で、ずっと一緒です。堀池さんとはみんなの家で友達になって、ほかの事業所で一緒に過ごす時間も多くて特に仲がいいです。

堀池 フェニックス

Q 選曲についてはどのような想いで?

楠田 GLAYの「HOWEVER」、globeの「DEPARTURES」、アナと雪の女王の「レット・イット・ゴー」、「世界に一つだけの花」の4曲を歌います。

堀池 「HOWEVER」が楠田くんと自分。「DEPARTURES」は楠田くんと茉佑ちゃん。

河原 私は「レット・イット・ゴー」も歌います。

堀池 「HOWEVER」は、男の人が歌っている曲なので。

楠田 男の人が歌っていることは関係ないですが、「絶え間なく」とか「愛の名を永遠と呼ぶことができたなら」とか、そういうグッとくる熱い歌詞を、堀池さんと格好良く歌ってみたいと思って。ぼくが低く歌って、堀池さんがちょっと高めに歌ったらハモりも入れられるので、この曲を選びました。

河原 私ももう一つの曲のハモりを練習しています。

楠田 茉佑ちゃんとは「DEPARTURES」を歌います。僕は華原朋美のファンなので、小室哲哉はぜひ歌っておきたいなと。あと12月のライブなので、冬らしい曲として「レット・イット・ゴー」を選びました。茉佑ちゃんと歌うときは自分が低く歌って、茉佑ちゃんの高い声を響かせられたら。

Q ライブの合間にお笑いコーナーがありますね。

楠田 監督から僕のダジャレが得意なところを活かしたら?と勧められて、お笑いコーナーをすることになりました。。

堀池 楠田くんがダジャレを言う。みんなは笑ったら負け。笑ったひとは来年ライブに出る。

河原 私はほんとは笑いたくないけど、笑うかも…

堀池 僕はダジャレは聞くけど、笑わない。笑わないけど、またライブはやる。

楠田 じゃあ笑ってね?

Q 監督とは誰のことですか?

楠田 職員の本間さんです。台本を作ってくれました。あと、新道学さんにもプロデューサーとしてパソコンの操作を協力してもらっています。新道さんは僕のパソコンの先生で、僕は分からないことをクリアしながら使えるようになりました。今回は先生ではなく、一緒にライブをやれるので楽しみです。

Q どんなライブになったらいいと思いますか?

楠田 3人の思い出もですが、みんなの家のみんなともっと仲良くなれたらという想いもあります。ライブの最後に「世界に一つだけの花」をみんなで歌いたいです。

河原 この曲はデイ2で3人で歌ったことがあって、思い出の曲です!みんなも歌えると思って選んでいます!

堀池 1年7か月ぶりのライブ。最高でしたって、みんなに言ってもらおう。

(11月8日インタビューにて)

12月9日のライブ当日はスーツでビシッと決めてきた楠田さん!堀池さん、河原さんとともに練習の成果を披露されていました。来年のステージも乞うご期待!

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スタッフのまなび 虐待されたら「やめて」と言おう 当事者と支援者双方の意識を高めて虐待を防止しよう

児童発達支援管理責任者の新道です。虐待による悲痛な事件の報道が後を絶たない昨今です。障害のある方が虐待の被害者になってしまうケースも多々あります。

今回私は「虐待防止ワークショップ」というものが紹介されました。手法としては、支援者が用意した「虐待の絵などのわかりやすいパンフレット」「意思表示のための〇×カード」を使い、グループになった当事者の皆さんに虐待ついて「主役」となって考えていくものです。

このようにクイズのような感覚で、虐待の定義や虐待はよくないこと、虐待されたら相談することについて、質疑応答時間も設けながらワークショップを進みます。もちろん、様々な障害の方がいらっしゃるので、支援者は参加者のみなさまの障害特性への配慮、被虐者のフラッシュバックに注意して、見守ることが大切です。

このワークショップを通して、障害のある方自身が「虐待はよくないこと」という認識を持てると同時に、支援者側が虐待に対する意識を向上させることに繋がります。今後みんなの家でもおこなって、施設全体で学びを深めていけたらと思います。

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tailor-cafe

11月20日(水)から26日(火)にかけて、下関大丸にて毎年恒例の「冬の愉しみ さをり織展」を開催しました。期間中は大丸会場にお越し頂き、また応援頂きありがとうございました。この度はいつもと違い狭いブースでの出展でしたが、たくさんの方が手織りの鮮やかさに足を止め、お求め頂きました。

早いもので今年で7回目。商品ラインナップや加工技術の多彩さ、手織物の加工に関してはかなり自信あり!なお店となりました。期間中はJ:COMさんにもご取材頂きました。

今までキズ・不良品とされていた糸の抜けやほつれ、織物のキズを「むしろほつれた所が魅力的!」と捉えたさをり織り。多様性を認めようという声の高まる今、手に取るとほっこりするアイテム。ピアマインドにも繋がるこのさをり織をもっと広めたいと思っておりますので、ピーカフェをこれからもぜひ応援してください

P-cafeオンラインショップまたは「いいち ピーカフェ」で検索

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TUR8(つるはち)食堂

8月以降はイベント中心に啓発活動を展開しています。

9月 つるはち夕暮れカフェ開催

9月の毎週土曜日に夕方のカフェイベントを開催しました。ランチ休止中につき、お客様に少しでも楽しんでいただこうと、ご近所にお住いの青山さんという女性にご協力いただいて浴衣の着付けのワークショップも同時開催しました。色とりどりの浴衣をずらりと並べた室内に、参加された女性たちが大変盛り上がっていました。SNSでイベントを知った外国の女性たちも遊びに来て下さいました。。

日ごろなかなか着る機会のない浴衣ですが、シンプルな決まった形の布を身体に巻き付けて服とする考え方は、洋服にはない日本らしい文化ですね。体型や身長に関わらず、どんな人も同じ着方で纏えるという懐の深さは、多様性を認め合うというピアのテーマにも通じるのもがある気がします。夏の終わりに浴衣の魅力とカフェを楽しめる、有意義なイベントとなりました。

11月 お寺精進スイーツ教室開催

11月24日(日)、ご近所の妙蓮寺さんを会場にスイーツづくり教室を開催しました。

こちらは下関のお寺に関わる女性で構成される「下関仏教若婦人会」さんの秋の研修会ということで、ご法話やお精進のスイーツづくりがテーマの会でした。つるはち食堂は卵や乳製品など動物性食材を使用しないお菓子も提供してきた経験から、今回は講師として参加させていただきました。なんと40名近い参加者が集まり、お子様と親子で参加される方も多く大変にぎやかなスイーツ教室となりました。

ポリ袋だけで生地をつくる焼き菓子や、寒天でつくるやわらかいフルーツゼリーなど4種のスイーツを協力して作りました。お菓子が焼けるのを待つ間にはお坊さんによる「命をいただく」というテーマのご法話もあり、たくさんのご家族と「食べる」ことについて考える素敵な時間となりました。

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編集後記

あっという間に冬がやってきました。これまでつるはち食堂の担当としてランチ営業を主に業務としていたのですが、ピア通信を担当するようになり、デイサービスのイベントごとに一緒に同行する機会が増えたからか、ここ数年でいちばん季節の移りかわりを肌で感じた3か月でした。当たり前のことではありますが、数年前デイサービスに関わっていた頃とは利用者さんやスタッフの顔ぶれも変わっており、同じ空間でもそこに居る人や皆さんの過ごし方が日々変化していることを実感します。2019年の残りの日々も大切に丁寧に過ごし、ピアの皆さんと元気に2020年を迎えたいと思います。次回のピア通信もお楽しみに。。

ピアスタッフ 鮎川真琴

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